【2022年版】確定申告の医療費控除と節税計算シミュレーション
更新:2022/05/11
医療費控除申請して節税しましょう
会社で源泉徴収や年末調整を行うため確定申告をしない人でも、医療費控除の申請で節税できる場合があります。
目次
医療費控除とは?
医療費控除の申請は「医療費控除」、「セルフメディケーション税制」のいずれかを選択します。
医療費控除
本人、生計を一にする配偶者、生計を一にする親族のために医療費を支払った場合に受けられる控除です。
セルフメディケーション税制
本人、生計を一にする配偶者、生計を一にする親族のために対象医薬品を購入した場合に受けられる控除です。補足▼(国税庁ホームページ)
セルフメディケーション税制申請の条件は?
申請条件として、申請者本人が健康の保持増進及び疾病の予防としてのいずれかの取り組みを行ったことを明らかにする書類が必要です。
・保険者(健康保険組合等)が実施する健康診査
・市区町村が健康増進事業として行う健康診査
・予防接種【定期接種、インフルエンザワクチンの予防接種】
・勤務先で実施する定期健康診断【事業主検診】
・特定健康診査(いわゆるメタボ検診)、特定保健指導
・市区町村が健康増進事業として実施するがん検診
↑にかかる費用は控除対象外です。申請者本人以外は行う必要はありません。
・市区町村が健康増進事業として行う健康診査
・予防接種【定期接種、インフルエンザワクチンの予防接種】
・勤務先で実施する定期健康診断【事業主検診】
・特定健康診査(いわゆるメタボ検診)、特定保健指導
・市区町村が健康増進事業として実施するがん検診
↑にかかる費用は控除対象外です。申請者本人以外は行う必要はありません。
明らかにする書類とは
領収書や結果通知表等です。氏名、実施年、実施保険者、医療機関や医師氏名の記載があるものに限ります。
セルフメディケーション税制の計算方法は?
セルフメディケーション税制控除額はの計算式で求められます。
セルフメディケーション
税制控除額
(上限8.8万円)
税制控除額
(上限8.8万円)
=
対象医薬品購入額
(2021年分)
(2021年分)
- 1.2万円
例)対象医薬品購入額が5万円の場合
「5万円-1.2万円=2.3万円」が控除額になります。
補足▼(国税庁ホームページ)
医療費控除の対象は保険適用のみ?
健康保険適用外でも治療に支払った医療費は医療費控除の対象になります。
・病院や歯医者の治療費、薬代 🏥
・市販の風邪薬(処方や指示なくてもOK) 💊
・歯医者での差し歯やセラミック歯などの高額治療 🦷
・子どもの歯科矯正 🦷
・電車やバスでの通院費用 🚃
・妊娠の定期検診や検査などの費用 🤰
・不妊治療 🤰
・レーシック施術 👁
・海外旅行先で支払った医療費 🏖
等々・・
・市販の風邪薬(処方や指示なくてもOK) 💊
・歯医者での差し歯やセラミック歯などの高額治療 🦷
・子どもの歯科矯正 🦷
・電車やバスでの通院費用 🚃
・妊娠の定期検診や検査などの費用 🤰
・不妊治療 🤰
・レーシック施術 👁
・海外旅行先で支払った医療費 🏖
等々・・
詳しくは、国税庁のホームページを参照してください。
医療費控除の対象となる医療費
医療費控除の対象となる医療費(Q&A)
控除の対象になるか具体例で確認する
※市販の目薬や湿布は治療目的であるかあいまいという理由で控除が認められづらいとのことです。
治療費は医療費控除の対象になり、感染予防・健康・美容費は対象外となるのですね。
頭痛で買ったロキソニンも医療費控除の対象なのに、うっかりレシートを捨ててしまいました。
医療費控除額の計算方法は?
医療費控除額はの計算式で求められます。
医療費控除額
(上限200万円)
(上限200万円)
=
医療費総額
(2021年分)
(2021年分)
-
保険金等の
補填金額
補填金額
-
所得金額の5%
(上限10万円)
(上限10万円)
保険金等の補填金額とはのように医療費を補う目的で受け取る金額のことです。
・生命保険の医療保険金や入院給付金
・健康保険で支払われる高額療養費
・出産育児一時金
等々・・
・健康保険で支払われる高額療養費
・出産育児一時金
等々・・
医療費を補う目的以外で受け取った金額は保険金等の補填金額に含まれません。
・「がんと診断されたこと」を給付原因とする保険金
・「入院した事実」を起因とする見舞金
・傷病手当金、出産手当金、育児手当金
等々・・
・「入院した事実」を起因とする見舞金
・傷病手当金、出産手当金、育児手当金
等々・・
補足▼(国税庁ホームページ)
健康保険法等の規定により給付される出産手当金
医療費を補填する保険金等の金額のあん分計算
医療費を補填する保険金等が未確定の場合
所得金額はの計算式で求められます。
▶所得金額 = 収入金額 - 必要経費
または
▶所得金額 = 収入金額 - 給与所得控除
給与所得控除
医療費を補填する保険金等の金額のあん分計算
医療費を補填する保険金等が未確定の場合
所得金額はの計算式で求められます。
▶所得金額 = 収入金額 - 必要経費
または
▶所得金額 = 収入金額 - 給与所得控除
給与所得控除
補足▼(所得税の計算)
家族のだれが申請するのがお得?
医療費控除は、確定申告の所得税だけでなく、住民税の節税にもなります。
ざっくりとした節税額を知りたい場合は下記の計算で求めることができます。
・所得税の場合、「医療費控除額×課税される所得金額に対する税率」(先物取引の場合は「医療費控除額×15%」)
・住民税の場合、税率は10%のため「医療費控除額×10%」(先物取引の場合は「医療費控除額×5%」)
※税の計算は補正計算や100円未満切捨て等があり、実際の節税額とは数百円程度異なる場合があります。
節税額の計算シミュレーション
会社員、個人事業主、株売買収入の所得税・住民税を計算し、節税額を算出してみます。
医療費や収入等を入力すると再計算します。
医療費や収入等を入力すると再計算します。
支払った医療費 | |
セルフメディケーション税制 対象製品購入額 |
※補填金額を引いた後の金額
会社員 | |
---|---|
収入・所得金額の入力 | |
①給与収入 | |
②給与所得控除 | 1,640,000 |
③給与所得 | 4,360,000 |
適用する医療費控除の選択 | |
医療費控除 | 100,000 |
セルフメディケーション税制 | 88,000 |
所得控除の入力 | |
医療費控除 | 100,000 |
社会保険料控除 | |
税の計算 | |
所得税 | 191,300 |
住民税 | 292,300 |
節税額 | |
---|---|
所得税の節税額 | 10,200 |
住民税の節税額 | 10,000 |
合計 | 20,200 |
個人事業主 | |
---|---|
収入・所得金額の入力 | |
①事業収入 | |
②経費 | |
③事業所得 | 2,000,000 |
適用する医療費控除の選択 | |
医療費控除 | 100,000 |
セルフメディケーション税制 | 88,000 |
所得控除の入力 | |
医療費控除 | 100,000 |
社会保険料控除 | 税の計算 |
所得税 | 47,600 |
住民税 | 100,700 |
節税額 | |
---|---|
所得税の節税額 | 5,100 |
住民税の節税額 | 10,000 |
合計 | 15,100 |
株売買 | |
---|---|
収入・所得金額の入力 | |
①先物取引 | |
②経費 | |
③雑所得 | 990,000 |
適用する医療費控除の選択 | |
医療費控除 | 150,500 |
セルフメディケーション税制 | 88,000 |
所得控除の入力 | |
医療費控除 | 150,500 |
社会保険料控除 | |
税の計算 | |
所得税 | 54,900 |
住民税 | 25,300 |
節税額 | |
---|---|
所得税の節税額 | 23,200 |
住民税の節税額 | 7,700 |
合計 | 30,900 |
※所得控除について、医療費控除・社会保険料控除以外は未対応です。
(ex.生命保険料控除、扶養控除、寄附金控除、雑損控除)等
(ex.生命保険料控除、扶養控除、寄附金控除、雑損控除)等
補足▼(所得税の計算@国税庁ホームページ)
補足▼(住民税の計算@国税庁ホームページ)
医療費控除の申請手順は?
国税庁の確定申告作成コーナーで手続きをします。
画像をクリックすると拡大表示します。
画像をクリックすると拡大表示します。
2022年1月1日~12月31日分の医療費が申請対象です。
確定申告作成コーナー
で入力する例をに示します。
医療費等の領収書やセルフメディケーション税制申請の条件となる書類は、自宅に5年間保管する義務があるそうです。
補足▼(国税庁ホームページ)
お読み頂きありがとうございます。